コラム

2026.01.16

認知症と高血圧

高血圧は血管性認知症の危険因子です。

特に、中年期の高血圧が、認知症の危険因子となることを示すデータが複数存在します。

高血圧は動脈硬化を進行させ、脳梗塞や脳出血の原因となります。これらの病気は血管性認知症を引き起こすことから、高血圧は血管性認知症の危険因子の1つといえます。

また、脳の深部にある細い血管が詰まった場合、壊死する範囲が小さいため、無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)と呼ばれる、明確な症状が出ない脳梗塞を起こすことがあります。そのため、気が付かないうちに小さな脳梗塞が起こり、認知機能が低下していくということもあるわけです。この無症候性脳梗塞の最大の危険因子は高血圧です。

これらのことから、中年期の高血圧は、認知症予防の観点からも積極的に治療すべきと考えられています。

一方、高齢期における認知症と高血圧の関係は複雑です。

高齢者において、降圧治療が認知症予防に寄与するという明確なデータはありません。しかし、降圧治療が認知機能を悪化させるという明確なデータもないというのが現状です。

そのため、高齢者の場合、認知症を予防するという観点以外に、ほかに抱えている基礎疾患と血圧の関係を考慮する必要があります。また、高齢者においては、低血圧や血圧変動の異常が認知機能低下と関連すると報告されていることから、より慎重な対応が求められます。