塩分(ナトリウム)の過剰摂取と、カリウムの摂取不足は、いずれも血圧を高めることが分かっています。しかし、毎日の食事から自分がどのくらいの量の塩分やカリウムを摂取しているか知ることは、意外に難しいことです。
摂取したナトリウムの約90%、摂取したカリウムの70~80%が尿中に排出されるため、尿検査によって、摂取した塩分やカリウムの量を推定することができます。尿検査の結果を用いた「田中の式」という計算式に基づく塩分摂取量を推定するツールをご紹介します。
日本高血圧学会
スポット尿による食塩・カリウム摂取量推定ツール
https://www.jpnsh.jp/natkali-e/
当院のYouTube動画でもご紹介しています。
https://youtube.com/shorts/JJN4eAZ9-Xg
*減塩による降圧効果*
高血圧で治療中の方の多くは、塩分の摂取を制限するよう指導を受けます。1gの減塩により収縮期血圧は平均1mmHgほど低下することが分かっており、この減塩による降圧効果は、用量依存的(減塩するほど血圧が下がる)とされています。
*減塩目標*
日本の高血圧管理治療ガイドライン(2025年)における減塩目標は6g/日未満となっています。しかし、令和5年の国民健康栄養調査によると、日本人の塩分摂取量は、男性で10.7g/日、女性で9.1g/日であったとされています。
*自分の塩分摂取量を知ろう*
十分な栄養摂取を確保した状態で、減塩目標6g/日を達成するのは容易ではありません。しかし、自分がどのくらいの塩分を摂取しているかを知り、生活習慣改善のきっかけとすることには、一定の意味があると考えています。
<関連FAQ>
Q1. 尿検査だけで、本当に塩分摂取量が分かるのですか?
- 正確な「実測値」ではありませんが、摂取したナトリウムの約90%は尿中に排泄されるため、尿検査から日常の塩分摂取量を推定する方法が広く用いられています。
Q2. 「田中の式」とは何ですか?
- スポット尿(1回尿)のナトリウム濃度やクレアチニン濃度から、1日の塩分摂取量を推定する計算式で、日本人のデータをもとに開発され、日本高血圧学会も紹介しています。
Q3. 塩分摂取量の推定におけるスポット尿検査は、24時間蓄尿検査と比べて精度が劣りますか?
- 24時間蓄尿検査の方が精度は高いですが、時間と労力を要し負担が大きいという欠点があります。スポット尿による推定は、手軽さと実用性を重視した方法として、日常診療や生活改善の目安に適しています。
Q4. 一度測れば、自分の塩分摂取量は分かりますか?
- 塩分摂取量は食事内容によって日々変動するため、1回の結果はあくまでも目安と考えてください。複数回測定することで、より自分の傾向を把握しやすくなります。
Q5. 減塩すると、本当に血圧は下がりますか?
- はい。食塩を1g減らすと収縮期血圧が約1mmHg低下するとされており、減塩量が多いほど効果も大きくなる傾向があります。
Q6. 日本人の平均的な塩分摂取量はどれくらいですか?
- 令和5年の国民健康・栄養調査では、男性:10.7g/日、女性:9.1g/日とされており、目標値(6g/日未満)を大きく上回っています。















