寒さに伴って、冬は血圧が上昇することが知られています。気温の低下と血圧の上昇には関連があり、寒さが交感神経を刺激することで血管が収縮することが主な原因です。冬は外に出る機会が減って運動量が少なくなることや、鍋物など塩分の多い料理が増えることも関係しているかもしれません。夏に比べて冬の方が血圧が10mmHgほど高い人が多いのではないでしょうか。人によっては20~30mmHgも高くなる場合があり、家庭血圧を見ながらお薬の調整をする必要があります。
日本では、冬の入浴時のリスクが大きいとされています。お風呂に入る際、温かい部屋から寒い脱衣所に移動することで血圧が上昇します。服を脱いでお風呂場に行くと、さらに血圧が上昇。そのあと入浴することで、今度は血圧が下降します。湯船から出て脱衣所に移動すると、また血圧が上昇するという具合に、血圧が乱高下することが脳卒中や心臓発作の引き金になるとされています。このような、温度の急激な変化により血圧が上下に大きく変動することに伴う健康被害を「ヒートショック」といいます。冬は入浴前に脱衣所を温めておくなどの対策が必要です。
FAQ:よくあるご質問
Q.ヒートショックとは何ですか?
A.温度の急激な変化により血圧が上下に大きく変動することに伴って起きる健康被害のことです。温かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動したり、湯船に入ったり出たりすることによって血圧が急激に上下します。この変動が、脳卒中や心筋梗塞などの引き金になることがあり、特に高齢者では注意が必要です。
Q.入浴時のヒートショックを防ぐには、どうしたらいいですか?
A.次のような対策が考えられます。
・脱衣所や浴室を暖房器具で温めておく。
・お風呂の温度を上げ過ぎない(41℃以上にしない。38~40℃が目安。)。
・入浴時間が長くなり過ぎないようにする。
・食直後や飲酒後の入浴を避ける。
・いきなり肩までつからず、かけ湯で体を慣らしてから入浴する。
・入浴の前後に水分補給をする。
Q.なぜ冬になると血圧が上がるのですか?
A.寒さによって交感神経が刺激され、血管がギュッと縮むためです。発汗量や運動量が減る、塩分の多い食事が増えるなど、冬特有の生活環境も影響しています。















