高血圧で治療中のかたは、多くの場合、塩分制限を指導されます。しかし、実際には食塩の摂取を制限することは難しく、「塩の少ない食べ物は美味しくない」というのが本音ではないでしょうか。
そのような場合には、カリウムの摂取を増やすというのも良い方法です。特に、血圧の高いかたや、食塩の摂取量が多いかたは、カリウムの摂取を増やすことで血圧が低下し、脳卒中や心臓病のリスクが低下するということが分かっています。
カリウムは、野菜や果物などに多く含まれるため、それらを毎日の食事のなかで少しずつ増やすことで、カリウムの摂取量が上がります。
また、塩に含まれるナトリウムの一部をカリウムに置き換えた「代替塩」も有用とされています。単に「減塩しましょう」と指導されても、実効性のある生活習慣改善が難しいかたにとって、代替塩は期待できる一手になります。
ただし、腎臓の機能が低下しているかたでは、カリウムの摂取を制限する必要がある場合もあるため、担当医とご相談ください。
Q.カリウムを多く含む食品にはどのようなものがありますか?
A.カリウムは野菜や果物などに多く含まれます。代表的なものは、ブロッコリー・ほうれん草・さといも・納豆・アボカド・バナナなどです。
Q.日本で市販されている代替塩にはどのようなものがありますか?
A.日本高血圧学会のホームページには、代替塩を含む「減塩食品リスト」が掲載されていますので、参考になさってください。
https://www.jpnsh.jp/data/salt_foodlist_simplified.pdf
参考文献
代替塩を使用することで脳卒中などのリスクが低下することを示唆する論文です。
米国医師会雑誌(JAMA)
https://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/article-abstract/2829790
ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)















