コラム

2025.07.07

フェルラ酸とガーデンアンゼリカ

フェルラ酸は、米ぬか・コーヒーなどの食品に広く存在する、植物由来の天然ポリフェノールの一種です。抗酸化作用、抗炎症作用を持ち、脳内のアミロイドβを減少させ、神経細胞を保護する働きが示されています。
また、ガーデンアンゼリカ(西洋トウキ)というハーブが、記憶にかかわる神経伝達物質であるアセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)を阻害し、抗健忘作用を有することが報告されています。
このフェルラ酸とガーデンアンゼリカを配合したサプリメント「フェルガード」が、認知症を発症する手前の「軽度認知障害」の方々の機能維持に役立つ可能性が示唆されています(日本認知症予防学会認定サプリメント)。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33163900/

フェルラ酸については、心臓の血管(冠動脈)の収縮を抑制する働きがあることも報告されています。心臓の筋肉に酸素を供給している冠動脈の過剰な収縮(冠れん縮)は、狭心症や心筋梗塞の原因になるため、今後、フェルラ酸を活用した新たな心血管疾患の予防や治療が期待されます。

https://doi.org/10.1016/j.jphs.2025.04.006

また、フェルラ酸が小腸の筋肉の収縮を抑える作用があることも報告され、消化管の過活動が関与する下痢型過敏性腸症候群の予防や改善に貢献する可能性が示唆されています。腸管機能を調節する機能性成分としてのフェルラ酸の応用が期待されます。

https://doi.org/10.1016/j.jphs.2025.05.012